外国で新規事業を始める企業や、論文調査で外国の人たちについて調べたい研究者・学生にとって、海外リサーチは時間も費用もかかる大変な作業です。そこで、海外在住の外国の方や在留外国人にアンケートやインタビューなどの調査を行いたい場合は、海外リサーチをアウトソースにすることが最適です。今回の記事では、なぜアウトソースがおすすめなのか、そのメリット・デメリットについてご紹介いたします。

 

そもそも海外リサーチとは?

最近では、オンラインで商品を買ったり、海外向けのサービスや人材の派遣など、グローバルな市場が広がっています。日本の企業も商品を作ったり、販売したり、サービスを提供したりするときに、他の国に遅れないようにすることがとっても大切です。

具体的には新しいビジネスを始めるときには、積極的に「海外リサーチ」を行うことが求められています。だから海外リサーチをするまえに、まずは海外リサーチとは何かを知っておく必要があります。

海外リサーチとは、新しい商品やサービスを海外で広めるときに必要な調査のことです。外国の人たち向けの商品を作るときにも、この調査が行われます。

具体的な手順としては、例えば日本に住んでいる外国の方や、対象とする国に住んでいる方にアンケートやインタビューをして質問に答えてもらいます。そうして、その国に独自の文化や習慣を調べて、それらを考慮して商品を作ります。

それから「自分たちの商品がちゃんと合っているか」「他の国の人たちに受け入れてもらえそうか」などを調査します。

 

海外リサーチのおもな4つの調査方法

海外リサーチには、いろんな調査方法があります。基本的なものからちょっと高度なものまで、全部で4つの方法があります。使う方法によって、調査にかかるお金や時間、得られる結果の信頼性、データの情報量が変わります。

今回は企業に頼む場合と、自分で調査する場合のそれぞれの方法についてお話しします。

①アンケート

アンケートは、海外リサーチを含めていちばんポピュラーな方法です。実施がシンプルで、回答者にもあまり負担をかけないメリットがあります。回答にかかる時間は短く、報酬も他の方法より控えめです。アンケートを使うと、相手と直接に対話する必要がないので、郵送やインターネットを使って効率的に情報を集めることができます。

論文や商品の評価など、「手っ取り早く情報を集める」際に使われています。

もちろん論文調査の場合、在留外国人にアンケートを送るときは対象者を選り好みする必要があります。海外ではインターネットやメール、アプリを使ってデータを収集するのが対面での調査よりも簡単です。

調査会社によっては、すでに外国人が登録されていて、そのユーザーを利用した調査ができるところもあります。

②インタビュー

つぎは「インタビュー」ですね。これは、直接調査対象者に質問をしたり、おしゃべりすることで情報を得る方法です。海外リサーチではよく知られている方法で、対話形式で質問するから、いろんなヒントを得やすいです。

ただし、インタビュアー(質問する人)が直接出向いて調査するので、ちょっと時間とお金がかかってしまう欠点もあります。しかし他の調査に比べて対話ができるので、新しいビジネスや商材の立ち上げで、ターゲットの問題点をみつける際などによく使われます。

 

 

③文献や論文調査

つぎは「文献や論文調査」ですね。アンケートやインタビューが直接的な方法なら、これは少し違います。

文献や論文調査は、他の調査がすでにやっていたアンケートやインタビューの結果や分析結果を読み取る方法です。

すでにネット上で公開されていることもありますが、シンクタンクや企業の情報は有料で、比較的高額であることがデメリット。それに過去の海外リサーチで調べたテーマしか知ることができないので、新しい情報を得るためにはアンケートなどで新しく調査する必要があります。

④GoogleやSNSなどでの収集

最後は「GoogleやSNSでの情報収集」です。これは費用をかけずに手軽に情報を集める方法で、ネット記事や文献のデータとして使われることが多いです。

GoogleやTwitter、FacebookなどのSNSでユーザーの声を集めることができます。ただし情報の信憑性が曖昧なので、経営者や企業に説明する際には注意が必要です。

海外リサーチはアウトソースすべき?

アウトソースと自己調査の違い

「アウトソース」と「自己調査」って何が違うのか、教えちゃいますね。海外リサーチの方法を確認したら、次は誰がその作業をやるかを決めないといけないんです。そこで登場するのが「アウトソース」と「自己調査」。アウトソースってのは、調査をプロに頼んで、その人たちに海外リサーチを代わりにやってもらう方法です。逆に、自己調査は、自分たちのメンバーや社員、研究者が直接やる方法です。

で、おすすめなのは海外リサーチではアウトソースなんですよ。それで、アウトソースがいい理由を、メリットとデメリットを考えながら解説していきますね。

 

海外リサーチをアウトソースする3つのメリット

海外リサーチするときには、「アウトソース」か「自己調査」かどっちでやるか決めないといけません。アウトソースとはプロに依頼して、その人たちに海外リサーチをやってもらうことを言います。逆に自己調査は、自分たちのメンバーや社員、研究者が直接やる方法です。

海外リサーチではアウトソースがなぜおすすめなのか、そのメリットを3つ紹介いたします。

 

①時間と費用の削減

アウトソースすると、時間と費用が効率よく削減できます。社内で自分たちでやるより、アウトソースに頼む方が外注料金はかかるけど、渡航費や人件費を考えたら結構お得です。

②言語の壁を超えてより正確な調査

アウトソースすると、言語の問題が少なくて、海外でも正確な調査ができます。自分たちでやると、外国語の人材を確保しないといけなくて、言語の問題で悩むことがありますが、アウトソースならプロの会社に頼んで言語の問題を解決できます。

③データの整理や示唆だし

アウトソースのメリットの3つ目は、データの整理や示唆だしもやってくれること。普通、海外リサーチで集めた情報って、整理して分析する人が限られています。でもアウトソースすると、プロのリサーチ会社がデータ整理から分析までしてくれるから、集めた情報を有効活用しやすいです。

 

 

海外リサーチをアウトソースする2つのデメリット

海外リサーチをアウトソースすることには、メリットだけでなくデメリットもあります。

①社外秘の情報共有が困難

アウトソースすると、新規事業など社外秘の情報を共有するのが難しくなるというデメリットがあります。

アウトソースでは、調査を行うために社内情報を提供する必要があり、他社との情報共有が欠かせません。しかし新規事業などで外部に情報を伏せたい場合、社外秘の情報を共有することが難しいことがあります。

特に企業が大きくなるほど、コンプライアンスの観点から調査の目的や新サービスについて伝えることが難しくなります。その結果、目的を伝えずに正しく調査を依頼したり、示唆だしを行ったりすることが非常に難しくなります。社外秘の情報がある中で、どうやって正確に調査を依頼できるかが鍵でしょう。

②正しい調査会社に依頼できているか?

次に、「正しく調査できる優秀な調査会社を選定しなければならない」というデメリットが挙げられます。調査会社を安易に選んでしまうと、調査手順や内容が誤っているよくわからない調査が行われ、結果として「なにも意味がないものだけが手元に残ってしまった」というケースも見受けられます。

依頼の趣旨に反した使えないデータを得てしまう原因は、費用やスケジュールを意識しすぎて、無理な注文や調査会社の実力を超えた依頼をしてしまうこと。

たとえば、正しい調査会社に依頼できていない失敗例として、次のようなことが挙げられます。

  • 示唆出しが見当外れ
  • 時間や費用をかけた割に大した結果が出ない

新規事業の場合に、調査結果として最低限のデータを用意した場合、事業の成功可能性があるのかどうかを判断できればいいのですが、意図とは異なる調査が行われることもあります。

そのため方向性の異なる示唆だしが行われることがあります。そうなると時間も費用もムダになってしまいます。信頼できる調査会社に依頼することが大切です。

海外リサーチはアウトソース!

今回は、海外リサーチをする上でのアウトソースの概要やおすすめな理由について、調査方法からメリット・デメリットまで詳しくご説明しました。

アウトソースは、時間や費用を節約できる手段として非常に有益です。

またアウトソースを利用することで、難しいデータの整理や示唆だしまで、自社では難しい作業もサポートしてくれます。ただし情報共有の難しさや適切な調査会社の選定に関するデメリットも念頭に置くべきでしょう。