【2023年最新版】在留外国人への調査まとめーそこから分かる在留外国人のニーズ

日本に在住している在留外国人は年々増加傾向にあり、日本人とは違うニーズを抱えていることが多いです。在留外国人に対して市場調査をしていくと、日本人とは違う悩みや問題を抱えていることが分かり、さらには満足している層としていない層で分かれるという結果が確認されています。日本人に対する調査と同じ感覚でしてしまうと思うような結果を入手することが困難なケースがあり、在留外国人に対して市場調査をする際にはポイントとなる内容を確認した上で調査をすることが大切です。

日本で生活している中での暮らしの満足度なども在留外国人のニーズを探るためには大切な要素です。日本での暮らしの満足度から生活や思考などが見えてくるため、日本という異文化でどのような感覚を持っているのかを測ることが可能になるため、満足度に関する調査は必要となります。満足度を調査していくと日本での暮らしの中で問題になることも同時に存在し、住みにくく感じてしまうことも一定数存在しており、課題の調査を同時にすることで、よりニーズを分析しやすい状況を作ることが可能です。

本記事では、在留外国人の調査に対するポイントや日本での暮らしの満足度、暮らしにおいての課題について解説していきます。

 

在留外国人調査のポイント

出入国在留管理庁の令和4年度6月末の統計資料[引用: https://www.moj.go.jp/isa/content/001381744.pdf]によると、平成24年末の在留外国人数は2,033,656人となっており、毎年増加傾向で令和元年末では2,933,137人と増加していますが、令和2年末では2,887,116人、令和3年末では2,760,635人と在留外国人数が減少傾向です。しかしインバウンド事業とは異なり新型コロナウイルスの影響を大きく受けていないと考えられ、令和4年末では2,961,969人と増加しており前年と比べて増加率は7.3%とすぐに数字としても戻っています。令和4年以降もさらに市場が大きくなることが推移から予測できるため、在留外国人の需要を抑えることが今後重要になり、ポイントをしっかりと抑えた上で調査をすることが大切です。

在留外国人の総数だけではなく国籍や地域別、在留の理由などを深堀りしていくことが大切で、令和4年6月末の調査では国籍、地域別の在留外国人の割合では、中国が744,551人で構成比が25.1%と一番多く、2番目にベトナムで476,346人で構成比が16.1%、3番目に韓国で412,340人で構成比が13.9%となっており、3つの国で在留外国人の半数以上を占めています。在留理由では、永住者が一番多く845,693人ですが、次に技能実習生で327,689人と全体の11.1%を占めるなど在留の理由に関しても注目して調査をすることで、よりニーズを理解することに繋がるため、リサーチを深めることに繋がります

日本の暮らしに対する満足度

出入国在留管理庁の令和2年度在留外国人に対する基礎調査報告書[引用:https://www.moj.go.jp/isa/content/001342229.pdf]によると、18歳以上の中長期在留者及び特別永住者10,000人を無作為に抽出し、日本の暮らしに対する満足度を調査したところ、生活環境全般の満足度では「満足している」が42.3%、「どちらかといえば満足している」が41.3%、「どちらかといえば満足していない」が7.7%、「満足していない」が3.2%というデータが出ています。生活環境全般での満足度の回答の中には、日本語能力をどの程度有しているのか、公共機関の利用に関すること、日本人との関わりに関して、職業に関してなどから総合的に判断されており、「満足している」と「どちらかといえば満足している」をプラスすると83.6%が日本の生活に関して少なからず満足していると判断することが可能です。

 

 

今後の日本での滞在を希望する割合に関しては、「日本に永住したい」の割合高く54.8%、「10年程度は日本に滞在したい」が13.7%、「5年程度は日本に滞在したい」が12.2%、「1年程度で母国に変える又は日本以外の国に行きたい」が4.5%、「分からない」が14.8%という結果になっており、永住した割合が半数を越えているという点では割合が高いと判断できます。しかし、45.2%の回答では永住したいという回答を得ることができていないことから、課題も同時に存在すると考えられ、課題を細分化して行くことがニーズを掴むために重要になると考えられます。

 

 

在留外国人の日本での暮らしにおける課題

海外で歴史や文化、言語の違う場所で生活していくということは、簡単なことではありません。文化が違うと価値観も変わるため、生活をしていく上での違いに苦しむ人も多いです。グローバルな社会が浸透してきていますが言語の壁や外国人とのコミュニケーションの取り方が分からないなどの日本人側の問題も同時に存在します。海外での生活を何不自由なくしていくための課題は山積みです。在留外国人が仕事をする際に問題となる給料に関することや、住居を探す際に費用がかかりすぎたり、入居を断わられてしまう、病院などを上手く見つけられなかったり、コミュニケーションが取れず適切な処置を受けられないなどの在留外国人が暮らす上での課題について解説していきます。

 

 

①仕事において給料が低く正当に評価されない

 

外国人労働者は日本人に比べて賃金が低かったり待遇が悪いという面がまだまだ目立ちます。技能実習生などで不当に賃金が低いという場合は、雇用主は不法行為をしているということになり法律違反となりますが、まだまだ多いということも課題です。日本人と同様の条件で就労できていても、スキルに応じて昇給をしてくれないなどの問題もあります。

出入国在留管理庁の令和2年度在留外国人に対する基礎調査報告書[引用:https://www.moj.go.jp/isa/content/001342229.pdf]によると、給料が低いと感じている割合は34.0%と高く、採用、配属、昇給面で日本人と比べて不利に扱われていると感じる回答が12.5%という結果が出ており、大きな課題の一つです。

在留外国人の労働条件の改善として、日本人と同等の権利を有するための法整備をより強固にし、昇給条件もスキルを重視し、年功序列ではなく能力により評価をする必要があると思われます。条件面が悪く、転職活動をする際に外国人労働者に対しての就業可能な枠を増やしたり、日本語だけではなく多言語にも対応しているプラットフォームや就業先の増加なども課題解決のために必要です。

 

②家を探すのが難しいかつ費用がかかる

 

在留外国人の日本で暮らす際の課題としては、物件を探すことが困難である点も指摘されます。基本的に日本人向けに日本語で物件などを宣伝しているため、探す段階で日本語が日本人と同程度に可能な場合は探すことができますが、日本語があまり得意ではなく在留外国人の場合は物件を探すことがまず困難です。物件や不動産会社を探すことができても、家賃が高く設定されていたり、国籍を理由に入居を断られるケースも多く存在します。令和2年度在留外国人に対する基礎調査報告書のデータでも、家賃や契約にかかる金額が高いと答えた方が23.5%、国籍等を理由に入居を断られたと回答した方が20.5%、外国語を話せる不動産業者が見つからなかったと回答した方が8.3%となっており、問題に直面している在留外国人が一定数存在し、まず課題であると認識することが大切です。不動産に関して、国籍による拒否ができないように法整備をしたり、物件探しに困らないように外国人入居者向けの物件を増やすなどの解決策を講じる必要があります。

③病院を上手く見つけられない、上手くコミュニケーションが取れない

 

在留外国人の生活に関する課題で度々問題になることの一つとして、病院を見つけられなかったり医師とのコミュニケーションを図ることが困難なために症状を的確に伝えることができず、対応が遅れてしまうなどです。令和2年度在留外国人に対する基礎調査報告書でも、病院で症状を正確に伝えられなかったが24.1%、どこの病院に行けばいいかわからなかったが23.1%、病院の受付で上手く話せなかったが15.9%、医療費が高いが13.9%と一定数の在留外国人が病院での対応で問題があります。病院のなどの公共機関の表記には英語など多言語を原則使用することや外国人向けに適切な病院や科に案内できるようなう部署を設置する、病院での問診や受付等に関しては、多言語翻訳が可能な機器や通訳スタッフの常駐などの対策も有効になると考えられ、対策を早い段階で講じることが大切です。

 

在留外国人への調査結果を読み解き、新たな市場を開拓しましょう

在留外国人は年々増加しており、今後もさらに増えていく見通しです。増加傾向にある在留外国人市場は今後大きな市場になっていく可能性が高いのでニーズを分析し理解することが大切になります。データをみても在留外国人の半数以上が永住したいと回答していますが、一定数日本での生活に問題を抱えている人も存在し、賃金に関する問題や住居に関する問題、医療などの公共施設に関する問題など、その課題に対して向き合うことでニーズをより深く理解し、外国人市場でのビジネスに役立てることができます。

Guidable Researchでは、外国人市場調査をもっとも得意としている市場調査会社です。登録国籍数192ヵ国、登録数100,000人、対応言語13各国語と幅広くあらゆる国籍や言語に対応しており、海外へビジネスを広げたい方や外国人のニーズについて調査をしたい方向けに業界最安値で対応させていただいてます。外国人市場調査ならGuidable Researchにご相談ください。

 

メタディスクリプション

 

在留外国人に対する調査をまとめました。今後市場が拡大していく在留外国人のニーズを分析し、日本での生活に関する満足度や生活する上での課題などについて細かく記載しています。分析結果から本当のニーズを理解することができるので、最後までご覧ください。