日本に住む外国人の人数は年々増えています。出入国在留管理庁の統計によると、2024年3月には341万人ほどの外国人が日本に住んでいます。
今回はそのようなかたがたを対象にして、日本の飲食店利用についてのアンケートをとりました。「外国人対応をどのようにすすめていけばいいかわからない」という飲食関係の人は、ぜひ参考にしてみてください。
◆ 今回のアンケート回答者
回答者数:117名
男女比:5:5
年齢:10~70代
在留資格:身分系(永住者・定住者・配偶者などの長期滞在者)、留学生など
目次
- Q1 普段どのくらいの頻度で飲食店を利用しますか
- Q2 日本の飲食店にどれくらい満足していますか
- Q3 飲食店でメニューが理解しづらかったことはありますか
- Q4 食事制限などを全て選んでください(なければ「特になし」を選んでください)
- Q5 特別な食事制限(例: ベジタリアン、アレルギー対応)が必要なとき、対応してもらうのに困ったことがありますか?
- Q6 日本の飲食店で文化やマナーの違いに戸惑ったことがありますか?(例: 箸の使い方や注文の仕方など)
- Q7 飲食店を利用する時の支払い方法は何ですか
- Q8 飲食店での支払い方法で困ったことはありますか(例: クレジットカードが使えない、現金のみの対応など)
- Q9 日本の飲食店で、改善してほしいと感じる点を全て選んでください
- Q10 うえで選んだなかで、1番重要だと思うものはなんですか
- 終わりに
Q1 普段どのくらいの頻度で飲食店を利用しますか
Q2 日本の飲食店にどれくらい満足していますか
75%以上の人が「月に2、3回」、もしくは「週1回以上」飲食店を利用することがわかりました。そのなかでも週1回以上利用する人はおよそ34%で、よく外食する外国人が多いと考えられます。また、90%以上の人が日本の飲食店に「(とても)満足している」と回答しました。
Q3 飲食店でメニューが理解しづらかったことはありますか
Q2で多くの人が日本の飲食店に「(とても)満足している」と回答していましたが、この質問では、半数以上の人がメニューがわかりづらいことが「よくある」もしくは「ときどきある」と回答しています。
「全くない」と回答した人は14.5%で、ほとんどの人がメニューを理解できなかったことがあるとわかります。農林水産省が観光客を対象にしておこなった「日本旅行中の飲食店利用の評価」というインタビューでも、メニューの多言語対応が追いついていない店が多いと指摘されています。
Q4 食事制限などを全て選んでください(なければ「特になし」を選んでください)
Q5 特別な食事制限(例: ベジタリアン、アレルギー対応)が必要なとき、対応してもらうのに困ったことがありますか?
食事制限がある人は30%ほどでした。ベジタリアン、ヴィーガンやハラルのほかに、ユダヤ教の食事規定であるコーシャや牛肉を食べられないヒンドゥー教があげられています。
また、食事制限に対応してもらうのに困ったことがある人は40%ほどになりました。
食事制限がない人が多いですが、宗教的なものだけでなく、健康や社会福祉を考えてベジタリアンなどになる人が増えてきているため、柔軟な対応が必要になっていきます。
Q6 日本の飲食店で文化やマナーの違いに戸惑ったことがありますか?(例: 箸の使い方や注文の仕方など)
マナーの違いに関しては、およそ60%が「ほとんどない」もしくは「全くない」と回答しました。
Q7 飲食店を利用する時の支払い方法は何ですか
Q8 飲食店での支払い方法で困ったことはありますか(例: クレジットカードが使えない、現金のみの対応など)
支払い方法は、半数が「現金」、33%が「クレジット/デビットカード」、16%がPayPayなどのバーコード支払いを使うと回答しました。
また、支払い方法で困ったことに関しては、ほぼ半数が「全くない」と回答しています。反対に、およそ3%が「よくある」と回答しており、支払い方法の多様化がもとめられます。
Q9 日本の飲食店で、改善してほしいと感じる点を全て選んでください
Q10 うえで選んだなかで、1番重要だと思うものはなんですか
両方の質問で、「イラストつき・多言語メニュー」が1番多くの票をあつめました。次点で「多言語対応スタッフの設置」がきており、3番めにはQ9では「支払い方法の多様化」、Q10では「食事制限の対応」がランクインしています。
そのほかでは、「懐石料理の説明」と「ラーメン屋スタッフの声量ダウン」があげられました。
終わりに
いかがでしたでしょうか。在留外国人が増えていくうえで、対応をすすめて客として受けいれることは必須となっていきます。客側も店側もおたがい配慮をしていきましょう。
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