近年、日本への旅行客が増加しています。JTBの2024年予測では、訪日外国人客数は3310万人を記録する見込みが出ており、外国人の中で日本が人気の旅行先であることは明白です。しかし、文化の違いにより、特に飲食店での不満が多くなってきているようです。世界共通の不満もあれば、国や地域ごとのものもあります。本記事では、このような文化的な違いによって発生する特徴や不満に焦点を当てて紹介していきます。

 

観光客共通の特徴

店探しは現地で

訪日外国人は、事前にSNSや口コミサイトで人気の飲食店情報を収集します。例として、一蘭ラーメンは外国での人気がとても高いです。特に最近では、韓国で話題になっています。日本旅行に行ったkpopアイドルやインフルエンサーのほとんどが一蘭で食べるため、今では韓国で最も知名度の高い日本のラーメン屋です。多くのレビューサイトで高評価なので、他の国でも一蘭に行くことが日本旅行のメインイベントの1つになっています。

ただ、「他にもっと美味しいラーメン屋もあるが、有名なので行った」というレビューも多く見られるため、味よりも知名度で店選びをするようです。そのため、食事自体も郷土料理などではなく、ラーメン、寿司、焼肉やとんかつなどの有名な日本料理を選びます。外国人が旅行をするときは、こういった特定の行きたい店だけを行程に組み込み、それ以外の店は現地で探すことが多いです。外国語で予約できる店が少ないことに加え、気分で行き先が変わった時などのために、あえて予約をしない人も多いようです。

飲食店の情報収集

先述したように、SNSや口コミサイトなどで飲食店の情報収集をします。世界共通で使われているものは、TripAdvisorやgoogle検索、ガイドブックです。日本在住の親族や友人に直接案内してもらうこともあるようです。最近では、YouTubeで日本旅行のVlog(Video blog)を参考にすることも増えてきています。視覚的にも分かりやすく、日本のどの店や観光地が自分に合っているかを把握することができるため、SNSと併用する人が多くなっています。

 

観光客共通の不満

メニューやスタッフ

日本の飲食店のサービス評価は高いです。丁寧な接客は日本ならではのサービスと言えるでしょう。しかし、料理の写真を載せない日本語表記のみのメニューを置いている店が多いため、どのような料理を出すのかイメージしづらいという意見が出ています。また、宗教的・体質的に食べられなかったり、ベジタリアンだったりで口にできない食材がある人もいるため、どのような食材が使われているか分からず不安という意見もあります。そのため、写真や多言語表記をしているメニューを用意する必要があります。観光庁の調査によると、調査に参加した2,500人の観光客のうち、半数以上が写真やイラスト入りのメニューを、3割が多言語表示メニューを置くことを希望しています。このことから、文字の表記よりも視覚的な表記がより求められていることが分かります。

また、箸の使い方や食事のマナーが分からない人が多いため、英語でそういったことを説明できるスタッフの配置も求められます。英語が完全に通じることが少ないので、注文するときにはgoogle翻訳などの翻訳アプリを使う人がほとんどのようです。

支払い方法

観光客だけでなく日本人にも共通する問題ですが、支払い方法が現金のみの店で困ることがあるようです。日本円に慣れていないので、会計の時のおつりの確認に時間を余分にかけてしまうことなどがストレスになるという意見が出ています。そのため、クレジット・デビットカード決済や、スマートフォン決済対応店の増加を求められます。しかし、現金決済に特に不満はないという意見や、カード決済対応店が多かったので特に問題はなかったという意見も多く見られているため、観光客の行き先によって左右される問題だと思われます。

 

その他

このような意見もありました。

・お通しが有料の場合、事前説明してほしい・要不要の選択権がほしい

・ベジタリアン・ハラール対応食品がない

・無料wi-fiが設置されていない店がある

・店までの案内の看板が日本語表記のみで分からなかった

・不用意に笑顔で対応されたため、馬鹿にされたように感じた

 

観光客の国別の特徴・不満

 

ここでは、中国・韓国・台湾・アメリカ・オーストラリアの5ヵ国別の特徴・不満について詳しく話していきます。

中国

特徴

大衆点評などの大手レビューアプリや、RED(小紅書)、Douyin(中国版TikTok)などのSNSを使用して飲食店の情報収集を行います。また味ではなく、ネット上の人気の高さで店を決めるようです。食事のスタイルはビュッフェスタイルが好まれ、スープ類や食後の果物が特に好きな人が多いです。食前・食後に温かいお茶を飲む習慣があります。冷たい飲み物はあまり飲みません。

不満

国内でのキャッシュレス化が進んでおり、スマホ決済が主流になりつつあるため、スマホ決済対応店を増やしてほしいという意見が多く出ています。また、中国から無申告で持ち出せる外貨は5,000米ドル相当であり、それ以上の額を持ち出すためには、預金している銀行から許可証を発行する必要があります。そのため、現金決済できる額に制限がかかってしまうので、カード決済できる店をもっと増やしてほしいという意見がありました。食事については、冷たい飲み物になれていないため、お冷を出す時には説明して出すなどの対応が求められます。

 

韓国

特徴

国間の距離が近く、LCCの便数も多いため、訪日韓国人の7割ほどがリピーターとして日本に訪れています。基本的に人気店を事前に調べてから来る人が多いですが、リピーターであればあるほど、いわゆる「日本通」であるほど、日本人人気の高い店を探したり、現地で見つけた店を利用します。食事に関しては、茶碗を持って食べないため、白米にもスプーンを使います。

不満

店内や席が狭いという意見や、座敷席は身体的に苦痛という意見が出ています。また、韓国ではキムチなどの小鉢のおかずが無料であるため、日本の飲食店の料金体系をあまり分かっていない人が多いです。そのため、お通しなどを出す時には、有料であることを事前に説明しておく必要があります。

 

台湾

特徴

国民の10%がベジタリアンであり、素食と呼ばれる食事をとっています。素食とは、動物性タンパク質の食材、動物由来の油や出汁、五葷(ネギ、ニンニク、ニラ、らっきょう、玉ねぎ)と呼ばれる野菜やアルコールも一切使用しないで調理する料理です。そのため、ベジタリアン対応の料理のニーズがとても高いです。また、料理は小出しされるよりも小皿が机に並んでいる方が見栄えが良いとされています。食べられない刺身を鍋にいれて食べることがあり、夏でも鍋の需要があります。

不満

中国と同じように、食前と食後に温かい飲み物を飲む文化があるため、冷たい飲み物を出す際には事前説明が必要だという指摘が出ています。また、分煙されていてもたばこの匂いがするので、完全禁煙の店の案内をしてほしいという意見もあります。

 

アメリカ

特徴

ビジネスでの出張の場合は店を調べず、日本に詳しい人が推薦した店を利用することが多いです。一方で、観光の場合はTripAdvisorやガイドブックなどから飲食店の情報収集をします。また、健康志向の上昇や環境問題への関心が高まっているため、国内でベジタリアンが増えてきています。

不満

食事制限がある人への配慮を求める意見が多いです。メニューに写真やイラストを載せるなどして、ベジタリアンでも食べられる料理かどうかを確認できるようにする対応が必要です。また、健康志向の上昇に伴って、カロリーが記載されていると嬉しいという意見もあります。

 

オーストラリア

特徴

現金払いでも問題ないという人が多いです。アメリカと同じように健康志向の上昇でベジタリアンが増えてきています。オーストラリア国内の飲食店では提供される料理の量がとても多いという特徴があります。

不満

税抜価格表示を理解していないため、会計時に表示価格以上の値段を取られることに不満があるという意見があります。税抜価格についての説明を店舗でする必要があります。また、日本での食事の量が少ないという意見が多いため、サイズを選択できるようにするなどの対応が求められます。アメリカと同じく、ベジタリアンなどの食事制限をしている人への配慮が必要だという意見もあります。

 

まとめ

いかがでしたか? 本記事では、観光客が抱えている共通・国別の飲食店利用での特徴と不満を説明しました。各国のニーズに合わせて臨機応変に対応することが、インバウンドが進んでいる昨今で集客率を上げる近道になります。ただ、取り扱っている食品の種類によっても、どの国からの人が多いのかは違ってきます。このような時は、Guidable Researchを試してみてください。どの業界でどの言語のニーズが最も多いかなどの統計を、自社が持っているGuidable Jobsのデータから算出できます。自社のデータをそのまま持ってきているため、同業他社よりも比較的安く提供できます。実績もあるため、ぜひこのようなデータ集計は、Guidable Researchにお任せください!